『ゴーストバスターズ:フローズン・サマー』に凍ったヨ

 先日,映画『ゴーストバスターズ・フローズンサマー』を近所で観てきました。前作の『ゴーストバスターズ・アフターライフ』が面白かったので,期待していました。前作は,『ゴーストバスターズ』(以下,『GS』)がいわゆるガジェット映画だということを前面に出していて,そこが格好良かったんです。あの車とか,探知機とか,つかまえるやつとか。主人公を初代GSメンバーの孫のメガネっ娘にしたのも良くて,絵が新鮮でした。それでいて,初代のGS感が出ていましたし。

 ところが,今作はなんかイマイチでした。
 原因はいくつもあって,観ながら頭の中で整理していました。嫌な観客ですよね。映画を観ながら,ダメなとこインデックスを作っていくという。
 まず,一番いけないのが,サマー感がほぼゼロなところ。・・・と思って原題を観ると『Frozen Empire』なんですね。だったらそれでいいじゃん!なぜ『サマー』なんでしょうか?公開も春なのに。ただ,『フローズン』感もイマイチで,尖った氷が地面から突き出すくらいで,「街や人が凍って大変!どうする?」感はほぼゼロです。
 次に,前回活躍したメガネっ娘がイモ娘になってしまっています。彼女は未成年とかいう理由でゴースト退治に参加できなくなるのですが,それでクヨクヨしちゃって,単独行動しちゃって,大きなトラブルを起こしちゃう。こうやって書くと,よさげなストーリーに見えるかもしれないですが(そんなことないか),実際は,ストーリーが進まないんですよ。イモをゆでているみたいな。
 あとは,クライマックスで旧作メンバーも含めて勢揃いしてビビーっとやっているシーンがあるのですが,ここは観客の皆さんも何となく感じていたと思うのですが,「狭そっ!」というくらい狭い場所(GSの基地?である旧消防署内)でやっているんです。10人くらいいたのかな。もっと分担して戦うとかなかったのでしょうか。それぞれのメンバーのキャラはとても立っているんです。ところが,新卒の就活生みたいに同じような格好で同じようなことをやっているんです。ピーター(ビル・マーレー氏)まで。
 ラスボスのシルエットは,『エルデン・リング』(3時間くらいでやめたけど)の敵みたいでクール(シャレじゃないよ)なんですが,これも攻撃パターンが単調で,「お前が世界征服するつもり?」「5年生より賢いの?」というくらい語彙が少ないやつなんです。(まあ大昔から復活したから,言葉とかわからないのかな)。

 以上,無理して観る映画ではないです。今度は,2016年にコケたと言われる女性版GSを観てみたくなりました。予告編を観る限り良さそう(←純朴)。